川はどこから来てどこへ流れるのでしょう。いつから流れているのでしょう。
私たちの街の川のことを、もっと知りたいと思いませんか。
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筑後川に住む魚図鑑
ここでは流域面積・河川延長共に九州最大の筑後川に住んでいる魚を紹介しています。筑後川のビックリするほど多彩な魚たちをご覧ください。
■魚図鑑で紹介している魚 現在
16
匹
ヒ
ナモ
ロコ
NEW
アユ
ドンコ
ギンブナ
ヤマノカミ
ウナギ
ヤマメ
ニッポンパラタナゴ
エツ
オイカワ
オヤニラミ
カジカ
カマツカ
コイ
ムギツク
アリアケギバチ
ヒナモロコ
(コイ科ハエジャコ亜科)
成長すると全長6〜7cmになります。主に朝鮮半島や中国東北部と北部九州の一部に棲息し、海水面が下がった氷河期に大薩と九州が連絡していたことを示す生物地理上重要な生き物です。
これまでに博多湾と有明海に注ぐ河川でしか確認されておらず、環境庁の絶滅危惧種に指定されています。1991年以降、その棲息が確認できませんでしたが、1994年11月、田主丸町立竹野小学校の児童によって確認されました。
現在、田主丸町では、町の天然記念物に指定し、住民や小学校、淡水魚の調査を行っていた地域づくりグループ等と連携しながら、生息地の保全と保護が進められています。
ドンコ
(スズキ目ハゼ科カワアナゴ)
体の割に頭がとても大きく、下あごが上あごより前に突き出しているのが特徴的です。成長すると25cmほどになります。川の上流域下部から中流までの淵を中心に生息し、稚魚の間は湿性植物の根元や浅い場所の石の間で過ごしますが、成長するにつれ深い場所に移ります。昼間は岩陰や石垣の中、テトラポットの下を隠れ家とし、夜になると外に出て活動します。4cmほどに育つ頃、巣穴(シェルター)に定住し、縄張りを作ります。肉食性でドジョウやカワムツ、ハゼ、甲殻類などを捕食します。一生を限られた水域で暮らすため、河川工事や汚水などの流入などの流入などにより生存に深刻な影響を受けるので、生息域を十分に把握して対応する必要があります。
アリアケギバチ
(ナマズ目ギギ科)
ギバチの一種で、九州西部と大淀川水系に棲むものをアリアケギバチとして、レッドデータブックの絶滅危惧種に選定されています。体型はナマズ型で、8本のヒゲを持ち、体長は120mm〜250mmになります。体色は茶褐色〜黒褐色で、脂鰭があります。ギギ科の仲間は腹鰭のトゲとその基底部の骨を摺り合わせて「ギイギイ」と音を出します。背鰭と胸鰭にあるトゲには毒があり、射されるとかなり痛みます。水質汚染や河川改修による環境変化に弱く、筑後川や矢部川で一時固体数が減少しましたが、現在では回復してきています。隠れ場所となる渕や浮き石のある礫底、川岸の抽水植物の根など入り組んだ環境が必要です。
ムギツク
(コイ目コイ科)
本州、四国、九州に広く分布し、河野中流から下流やこれに連絡する濯漑用水路に生息します。流れの緩やかな渕や淀みを好みます。全長は15cmほどに成長し、体側中央に口から尾ビレの付け根にかけて青黒色の幅広い縦縞があります。頭部はやや扁平で特に口先は口をとがらせたように細くて、短い口ヒゲがあります。
雑食性ですが、主にトビゲラやユスリカなど水生昆虫を食べます。
産卵期は5〜6月で、大きな石の下面や岩盤の割れ目、水草などに産卵します。「托卵」することでも有名で、オヤニラミやドンコなどの卵を守る肉食性の魚がいる所ではこれらの産卵巣に「托卵」します。
コイ
(コイ目コイ科)
日本全国に分布し、全長は60cm、まれに100cmを超えることもあります。4本の口ヒゲを持ち観賞魚としてもよく知られています。大きな川の中流、下流、汽水域や湖沼に生息し、浅い池の岸付近や水の流れのない川岸などに産卵します。仔稚魚期は浮遊動物や付着生物を食べ、成魚は底生動物や底生付着藻類やその分解物を食べ、特に貝類を好みます。コイは食用としても知られ、洗いやコイコク、中華の丸揚げ、飴煮にして食されます。また、河川の美化などを目的として、各地でコイの放流が盛んに行なわれています。しかし雑食で食欲も旺盛であり、他の魚の稚魚を食べるなど生態系を壊すとも言われています。
カマツカ
(コイ目コイ科)
本州、四国、九州に広く分布し、成魚の体長は約20cmほどになります。口は下を向いていて、口ひげが一対生えています。河川の中流や下流域、湖の岸に近い場所、水路などの砂底や砂礫底に多く住んでいます。
川が浅く、流れの穏やかな砂礫底に産卵し、仔魚期は藻類や小型の水生昆虫、甲殻類を食べ、成魚になると底生動物一般を餌としますが、他の魚の卵も食べてしまいます。
人に近づいてもあまり逃げませんが、驚くと砂に潜り、目だけをだしてじっとしています。底生性で食欲旺盛なので、水槽で飼うと他の魚の食べ残しを掃除してくれます。
カジカ
(カサゴ目カジカ科)
ゴリとも呼ばれゴリ料理として有名で、唐揚げなどで食されます。一生を川で過ごす、卵が大きい大卵型と、孵化後直後を海に出て過ごす、卵が小さい小卵型がいます。いずれも日本固有種ですが、各地で激減しています。大卵型は河川の上流域の水温が低く水の澄んだ瀬の礫底に棲み、大きさは150mmほどになります。小卵型は孵化後海に海に下り、約一ヶ月ほど浮遊生活を送り、稚魚になり底生生活を送るようになるころようになるころ川を遡上します。河川の中流〜下流の比較的流れの緩やかな平瀬の礫底に棲み、170mmほどになります。産卵は浅瀬の石に行い、雄が縄張りを作って孵化するまで卵を守ります。水生昆虫や底生小動物、小魚などを捕食します。
オヤニラミ
(スズキ目スズキ科)
レッドデータブックの希少種に選定されています。名前の由来は、エラぶたにある斑紋が目玉のようで、親を睨んでいるように見えることからきました。ヨツメウオとも呼ばれます。昆虫や小魚を食べ、成長すると13cm程になります。水のきれいな流れの穏やかな場所に棲んでいて、産卵はヨシなどの茎に行い、産卵が終わるとオスは卵が孵化するまで守ります。縄張り行動が強く、数匹を狭い水槽で飼うと、弱い固体は強い固体にかみ殺されてしまいます。ヨシやコウホネなどの植物が繁茂する、流れの穏やかな河岸を保全することが望まれます。
オイカワ
(コイ科ダニオ亜科オイカワ属)
学名は「Zacco platypus」で、別名を「ハエ・シラハエ・ヤマベ」といい、関東以西に分布しています。日本以外では、朝鮮半島、台湾、中国南東部にいます。成長すると体調15cmほどになり、体側に赤みをおびた横斑が7〜10個あり、オスの尻ビレはメスにくらべて非常に大きくなります。
藻類から水性昆虫、底生動物、浮遊動物など食べる雑食性で、川底が浅く、流れのゆるい平瀬を好みます。5月下旬〜8月が産卵期で、この頃雄の体は青緑やオレンジ色の鮮やかな「婚姻色」に染まります。産卵は川の浅瀬の砂利に行ないます。
エツ
(カタクチイワシ科エツ属)
学名をCoilia et Schlegelといい、日本では有明海にのみ生息する珍しい魚で「絶滅危惧種」に指定されています。成長すると全長35cm前後に成長します。
エツ漁は、筑後川の産卵場へ遡う5〜7月み河口域で行なう「えつ流し刺網漁業」が許可されており、1983年まで100t前後合った県内の漁獲量が95年には22tまで減少しましたが、97〜8年は60t前後と増加傾向にあります。他に有明海域で他の漁獲物との混獲が若干あります。
エツ料理は十種類ほどあり、小骨が多く調理が難しいので通常料理店での賞味されます。筑後の初夏の風物詩である屋形船の上で、獲れたてを味わうのが格別といわれてます。
筑後地方には、弘法大師が川に投じた葦の葉が魚になったという、エツにまつわる伝説が残されており、城島町にあるエツ大師堂には、弘法大師をお祀りしてあります。
ニッポンバラタナゴ
(コイ科タナゴ亜科バラタナゴ属)
学名を「Rohodeus ocellatus Kuryuneus(クルメウス)」といい、1900年の初めに久留米市の筑後川でとれたものが基準の標本となったためこの名がつきました。北部九州の一部と大阪府でしか生息が確認されておらず、環境庁のレッドリストでは絶滅のおそれが極めて高い「絶滅危惧IA類」に分類されています。減少した主な理由は、外来種のタナゴとの交雑にあるとされています。
久留米市周辺では「シビンタ」とも呼ばれ、春になるとバラの花のような虹色に輝く、とてもきれいな魚です。成魚は体調5cmほどになります。
北九州市小倉南区の北九州高校では、校内のニオトーブ(人工の生物生息空間)での繁殖に成功しています。
ヤマメ(降海型はサクラマス)
(サケ目サケ科)
全長は100mm〜300mmで、サクラマスは600mmになります。同属にアマゴ、ニジマスがありますが、アマゴには朱色の小斑点があること、ニジマスには黒色の小斑点が背鰭まであることで区別できます。 九州では日本海側、東シナ海側、大分県番匠川以南の太平洋側に分布します。 最上流から中流上部の淵落ちこみなどに棲んでいます。同じ場所にイワナが生息する場合は、より下流に移動します。肉食で水生昆虫や落下・流下昆虫を食べ、水面上を飛ぶ虫を狙って水面から飛び出ることもあります。 最近では養殖されたものも放流されていますが、各地の固有の群の維持が困難になるので、放流には細心の注意が必要です。
ウナギ
(ウナギ目ウナギ科)
海で産卵し川に戻って来る回遊魚です。日本全国に分布し、体長は100cm程になります。夜行性で、日中は小川や湖沼、淵などの石垣や土手の穴、泥底などに潜み、夜になると盛んに接餌活動をします。
産卵は降海し、マリアナ諸唐西部まで移動して行います。産卵生態はまだ不明な点が多く残っています。
夏に産卵し、孵化した幼魚は3ヶ月ほどで「シラスウナギ」に変態し、生後4〜6ヶ月かかって日本沿岸にたどり着きます。
定着性が強く年間移動は行いませんが、夏には上流へ冬には下流へ移動するものもいます。
ビタミンEなど栄養が豊富で、夏場のスタミナ食として好まれています。
ギンブナ
(コイ目コイ科)
ほぼ日本全国に分布しています。全長は25cmぐらいになり、コイに似ていますがフナ類は口ひげがないことで見分けられます。
河川の中〜下流域の流れの穏やかな水域や汽水域、湖沼で普通に見られ、広範囲の水域に生息しています。食性は雑食性で、水性昆虫、低生動物や藻類などを食べます。
産卵期は4〜6月ごろで、淵やその周辺に繁茂するヨシやフサモなどの植物に卵を産みつけます。
雄が極端に少なく、雄性生殖(他の魚の精子でも正常に発生する)でも繁殖できます。煮付けや甘露煮などとして食用にされます。釣りの対象としても親しまれています。
ヤマノカミ
(カサゴ目カジカ科)
長崎県から熊本県にかけての有明海湾奥部沿岸域やそこに注ぐ河川と、その河口付近の海域にのみ生息し、レッドデータブックの危急種に選定されています。体調は約10〜15cmになり、鱗はなく、体は小さな棘で覆われています。他のカジカ類とは後頭部と頬部に隆起線があることなどで見分けられます。
河川では底生生活をし、昼間は石の下などに潜んでいます。
冬になると川を下り、海で産卵します。産卵はカキの空殻などに行い、孵化まで雄が卵塊を保護します。孵化した稚魚は4月頃になると感潮域の上部へ遡上します。
ヤマノカミの多くは一年で産卵し、寿命を終える年魚です。
アユ
(サケ目アユ科)
北海道西部以南の日本各地に分布しています。縄張りを持つことで有名で、縄張りの広さは通常1平方メートルほどです。卵から孵化した仔魚は川の流れにのって海に下り、沿岸海域で過ごします。海に降りた当初は沿岸部に広く分布し、遡上が近づくと岸よりに生息します。春になり川と海との温度差がなくなる頃、群をなして川を遡上します。仔魚期から遡上初期の幼魚期は、浮遊動物や水生昆虫などを食し、遡上するにつれ植物食に変化し、石に付いた藻類をヤスリのような歯でこそぎ落として摂餌するようになります。産卵は中流域最下部の流速の遠い砂利底の浅瀬に行います。習性を利用した「友釣り」が有名です。